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フリーランスのための複式簿記入門|借方・貸方と仕訳の基本を解説

フリーランスとして仕事を始めると、避けて通れないのが帳簿づけ。

売上が発生したり、仕事で使うものを購入したり。そのたびに、お金の動きを記録していく必要があります。

でも、いざ帳簿をつけようとすると、

「借方? 貸方? どっちがどっち?」

「そもそも複式簿記って何?」

なんて、聞き慣れない言葉がたくさん出てきますよね。

私は高校と大学で簿記を学び、日商簿記2級を取得しています。

高校1年生の頃は、勘定科目をひたすら覚えたり、仕訳の問題を解いたり……。

当時はテストのために必死でしたが、まさか大人になって、自分の仕事の帳簿をつけることになるとは!(笑)

現在は「やよいの青色申告 オンライン」を使って、複式簿記で記帳しています。

今回は、複式簿記の仕組みから、借方・貸方、実際の仕訳の考え方まで、図解を交えながらできるだけやさしく紹介します!

この記事でわかること

  • 単式簿記と複式簿記の違い
  • 借方・貸方の意味
  • 勘定科目の5つのグループ
  • 売上が発生してから入金されるまでの仕訳
  • 貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)のつながり
目次

そもそも簿記って何?

簿記とは、仕事で発生した取引を、決められたルールに沿って記録することです。

例えば、フリーランスのデザイナーなら、

  • デザイン制作の報酬を受け取った
  • 仕事で使う文具を購入した
  • デザインソフトの利用料を支払った

といった取引があります。

こうした取引を記録しておくことで、どれくらい売上があったのか、どれくらい費用がかかったのかを確認できます。

そして、簿記の記録方法には、大きく分けて「単式簿記」と「複式簿記」があります。

単式簿記と複式簿記の違い

帳簿のつけ方には、大きく分けて「単式簿記」と「複式簿記」の2種類があります。

どちらも日々の取引を記録する方法ですが、記録の仕方や把握できる情報が異なります。

それぞれの違いを、具体例とともに見ていきましょう。

単式簿記

単式簿記は、家計簿のように、 お金の出入りとその内容を記録する方法です。

例えば、仕事の報酬として10,000円が振り込まれた場合は、 次のように記録します。

+10,000円

お金が10,000円増えたことがわかる!

複式簿記

一方、複式簿記は、 ひとつの取引を2つの面から記録する方法です。

デザイン制作の報酬10,000円が銀行口座に振り込まれた場合
「銀行口座のお金が10,000円増えた」ということに加えて、「納品後に受け取る予定だったお金(売掛金)が10,000円減った」ということも記録します。

+10,000円
−10,000円

預金が増えた一方で、未回収のお金が減ったこともわかる!

このように、単式簿記はお金の出入りをシンプルに記録するのに対し、複式簿記はひとつの取引を2つの面から記録します。

これにより、複式簿記ではお金の増減だけでなく、資産や負債、収益、費用などの動きも把握できます。

そして、この複式簿記で欠かせないのが、「借方(かりかた)」と「貸方(かしかた)」という考え方です。

青色申告でも複式簿記が使われる

フリーランスの確定申告には、白色申告と青色申告があります。

青色申告には、一定の条件を満たすと所得から一定額を差し引ける「青色申告特別控除」という制度があります。

このうち、控除額の大きい区分では、原則として複式簿記などの正規の簿記による記帳が必要です。

さらに、帳簿をもとに決算書類を作成し、期限内に申告することなども求められます。

青色申告特別控除は、複式簿記で記帳するだけで最大額を受けられるわけではありません。申告する年分の適用条件も確認しましょう。

借方・貸方って何? まずは左右を覚えよう!

名前だけを見ると、お金を借りたり貸したりすることのように感じますよね。
でも、簿記ではそういう意味ではありません。

借方は左側、貸方は右側

まずは、これだけ覚えておけば大丈夫です!

借方・貸方の位置
私が高校生のときに教わった覚え方

「借方」と「貸方」、どちらが左右だったか迷ったときは、 ひらがなの形を思い出してみてください。

かり
←
借方は左
かし
→
貸方は右

「かり」の「り」は左、「かし」の「し」は右。 文字の最後の線が向かう方向で覚える方法です。

借方=左、貸方=右。まずは位置を覚えよう!

借方と貸方の金額は必ず一致する

複式簿記では、取引を左右に分けて記録します。

例えば、10,000円の取引なら、

借方:10,000円 / 貸方:10,000円

というように、左右の金額を揃えます。

借方と貸方の金額の合計は、必ず一致する。

これが複式簿記の基本ルールです。

ただ、ここで気になるのが、

何を左に書いて、何を右に書くの?

ということ。

それを判断するために必要なのが、次に紹介する「勘定科目」です。

勘定科目とは? 取引につける名前のこと

簿記では、取引の内容を「勘定科目」という名前を使って記録します。

例えば、

  • 銀行口座のお金 → 普通預金
  • 仕事の報酬 → 売上
  • 通信にかかった費用 → 通信費

このように、何のお金なのかをわかりやすく分類するための名前が「勘定科目」です。

そして、勘定科目は大きく5つのグループに分けられます。

勘定科目の5つのグループ

資産
持っているお金や財産、受け取る権利
現金・普通預金・売掛金
負債
将来支払う義務があるもの
借入金・買掛金・未払金
純資産
資産から負債を差し引いた部分
元入金など
収益
仕事などによって得られる収入
売上・受取利息
費用
事業活動のために発生した費用
消耗品費・通信費・支払手数料

「うわ、覚えることが多い……!」

そう思った方もいるかもしれません。

私も高校1年生の頃、勘定科目を覚えるのに苦労しました。

中間テストで「この取引に使う勘定科目は何でしょう?」なんて問題が出ていた記憶があります。

懐かしい……!(笑)

でも、最初から全部覚える必要はありません。

まずは「勘定科目には5つのグループがあるんだな」くらいで大丈夫です!

勘定科目によって、記録する左右が変わる

ここで、先ほど覚えた「借方(左)」「貸方(右)」が登場します。

実は、勘定科目はグループによって、増えたとき・減ったときに記録する側が決まっています。

例えば、銀行口座のお金を表す「普通預金」は、資産のグループです。

普通預金が増えたら 借方(左)、減ったら 貸方(右) に記録します。

一方、仕事の報酬を表す「売上」は、収益のグループ。

売上が増えたら 貸方(右) に記録します。

同じ「増えた」でも、グループによって記録する側が違うんです。

ここで、基本のルールを図で確認してみましょう!

勘定科目
借方(左)
貸方(右)
資産
増える ↑
減る ↓
負債
減る ↓
増える ↑
純資産
減る ↓
増える ↑
収益
減る ↓
増える ↑
費用
増える ↑
減る ↓
資産・費用は左で増える。
負債・純資産・収益は右で増える。

勘定科目がどのグループに入るかによって、借方・貸方の使い方が変わります。

迷ったら、まずは勘定科目がどのグループに入るかを確認!

これが、仕訳を考えるときの基本です。

最初は難しく感じるかもしれませんが、実際の取引を例にすると、少しずつイメージしやすくなります。

5つの勘定科目は、2つの決算書につながる

ここまで、勘定科目には「資産・負債・純資産・収益・費用」の5つのグループがあることを紹介しました。

では、この5つのグループは、最終的にどこへまとめられるのでしょうか?

実は、簿記で記録した取引は、決算の際に「貸借対照表(B/S)」と「損益計算書(P/L)」という2つの書類につながっていきます。

それぞれ、どんな役割があるのか見てみましょう!

B/Sは財産、P/Lは利益を見るもの

簿記で記録した取引は、最終的に決算書へとまとめられます。

その代表的なものが、貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)です。

貸借対照表(B/S)は、ある時点での財産の状態を表すもの。

「資産・負債・純資産」の3つのグループで構成され、どんな財産があり、どのように調達したのかがわかります。

一方、損益計算書(P/L)は、一定期間の経営成績を表すもの。

「収益・費用」の2つのグループから、どれくらい利益が出たのかを確認します。

この2つは別々の書類ですが、実はつながっているんです!

貸借対照表(B/S) ある時点の財産の状態
借方(左)
貸方(右)
資産
負債
純資産
当期純利益 300,000円
損益計算書(P/L) 一定期間の利益
借方(左)
貸方(右)
費用
当期純利益 300,000円
収益
当期純利益は同じ金額!
300,000円 = 300,000円

※当期純利益が出た場合の精算表の仕組みを簡略化したイメージです。

数字がぴったり一致するのが気持ちいい!(笑)

実は、私が簿記にハマった理由のひとつが、この数字のつながりなんです。

何度も仕訳をして、集計して、最後に数字がぴったり揃ったときの達成感!

高校で簿記を勉強していた頃、この感覚が楽しくて、どんどん簿記にハマっていきました(笑)

まとめ|複式簿記は取引を2つの面から記録する方法!

今回は、フリーランスの帳簿づけに役立つ、複式簿記の基本的な仕組みを紹介しました。

  • 複式簿記は、ひとつの取引を2つの面から記録する方法
  • 借方は左、貸方は右
  • 借方と貸方の合計金額は必ず一致する
  • 勘定科目は「資産・負債・純資産・収益・費用」の5つに分類される
  • 勘定科目の分類によって、増減を記録する左右が変わる
  • B/Sは財産の状態、P/Lは一定期間の利益を確認するもの

最初は、借方・貸方や勘定科目のルールが難しく感じるかもしれません。

私も高校で簿記を習い始めた頃は、勘定科目を覚えるのに苦労しました(笑)

でも、最初からすべてを覚える必要はありません。

まずは、勘定科目の5つの分類と、借方・貸方の基本的なルールを理解することが大切です。

では、実際に仕事をしたときは、どのように記録するのでしょうか?

例えば、デザイン制作の仕事を納品しても、報酬が振り込まれるのは翌月……ということもありますよね。

そんなとき、売上はいつ記録するのでしょうか?

次の記事では、売上が発生してから入金されるまでの流れを例に、実際の仕訳を紹介します。

発生主義と現金主義の違いや、クラウドソーシングで仕事をした場合の考え方にも触れながら、フリーランスの帳簿づけをもう少し具体的に見ていきましょう!



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