今では、Webデザインやチラシ・パンフレット、動画制作など、さまざまな制作の仕事をしています。
でも、最初からデザイナーを目指していたわけではありません。
きっかけは、3人目の育休中。
「本業とは別に、家でできる仕事があったら家計も少し安定するかな」
そんなことを考えたところから始まりました。
それまでの私は、テレビ制作会社、行政の広報、販売促進、テーマパークのエンタメの裏方など、制作や「伝えること」に関わる仕事はしていたものの、デザイナーとして働いた経験はありませんでした。
「デザインを仕事にしてみたいけれど、未経験からでもできるのかな?」と思っている方の、ひとつの実例として読んでもらえたらうれしいです。
きっかけは、3人目の育休中
当時の本業はフル出社。
育休が終われば、また出社して働く生活に戻る予定でした。
でも、子どもが3人になったこともあり、「家でできる仕事も持っていたら、これからの働き方の選択肢が増えるかもしれない」と思うようになりました。
そんなとき、たまたま広告で見かけたのがFammのWebデザインスクールでした。
ほかのスクールと比べて比較的始めやすい価格だったこと、子どもがいても受講しやすく、ママ向けだったこともあって、
「やってみたい!」
と思い、受講を決めました。
最初から「絶対にWebデザイナーになるぞ!」と壮大な目標を掲げていたわけではありません。
本当に、在宅でできる仕事を探していたところからのスタートでした。
スクールで学んで、意外とハマったのがコーディング
スクールでは、バナーデザインの授業とWebコーディングの授業を受けました。
そこで自分でも意外だったのが、コードを書くことが面白かったこと。
授業が終わってからも、自主学習としてWebサイトのトレースなどをよくやっていました。
コードを書いて、画面上でちゃんと形になったときが面白くて。思った以上にハマりました(笑)
もともと私は、表に立つことよりも、裏側で何かを作って、それが最終的に形になることが好きなタイプです。
振り返ってみれば、小学生のころから一太郎を触って遊んでいたり、高校でも情報処理の授業があったり。
そのときどきでパソコンや制作ツールに触れる機会がありました。
まったく関係ないと思っていた過去の経験も、あとになって今の仕事につながっている。
これはデザインの仕事を始めてから感じたことのひとつです。
でも、スクールを卒業しただけでは仕事にならなかった
スクールで勉強して、卒業。
さて、ここからデザインの仕事を……。
……と思っても、当然ながら卒業しただけで仕事がやってくるわけではありませんでした。
「勉強したことを、どうやって仕事につなげればいいんだろう?」
「Webサイトを作るなら、この先は何を勉強すればいいんだろう?」
スクールで学んだことは、私にとって大きなきっかけになりました。
でも、そこから実際に仕事にしていくためには、自分で考えて、勉強して、動いていく必要がありました。
ここからが、私にとって本当のスタートだったのかもしれません。
実績ゼロ。まずはクラウドソーシングで応募した
最初に始めたのが、クラウドソーシングで仕事を探すことでした。
募集されている案件を見て、「これなら今の自分でもできるかもしれない」と思ったものに、とにかく応募しました。
とはいえ、実績0の初心者です。
応募すれば毎回仕事がもらえる、なんてことはもちろんありません。
それでも、テレビ制作のADや行政広報など、それまでの仕事で経験してきたことが役立ち、たまに応募が通ることもありました。
ただ、最初のころは継続案件につながることも少なく、思うように仕事が増えない時期が続きました。
一度、諦めかけたこともある
同じスクールを卒業した友人が2人います。
住んでいる場所は離れているのに、今でも仕事のこと、家のこと、子どものこと、そして本当にくだらないことまで(笑)、ずっとLINEで話している大切な友人です。
デザインのアイデアに行き詰まったときにも助けてもらい、この2人がいたから心が折れずに続けられた部分も大きかったと思います。
それでも、クラウドソーシングでなかなか結果が出ず、「もう無理かな」と諦めかけた時期がありました。
そんなとき、その友人のひとりがクラウドソーシングで頑張り、少しずつ実績につなげている姿を目の当たりにしました。
「頑張れば、私にもできるかもしれない」
もう一度そう思わせてもらいました。
あのとき完全に諦めていたら、今のようにデザインの仕事をしていなかったかもしれません。
本当に感謝しています。
仕事が来ないなら、できることをひとつずつ変えてみた
そこからは、とにかく地道でした。
- 応募できそうな案件を探して営業する
- 出品サービスのサムネイルを見直す
- サービスの文章を考え直す
- 「どうしたら連絡してもらえるか」を考える
- 制作実績を増やす
- コンペにも参加する
- 他のデザインを見て勉強する
急に何かが変わったわけではありません。
そのときの自分にできることを、ひとつずつ続けました。
中でも、経験を増やすためによく参加したのがデザインコンペです。
コンペは、落ちても勉強になった
コンペは実際の依頼内容に対してデザインを提案するので、実案件に近い形で制作できます。
もちろん、選ばれないことの方が多い。
でも落選したら終わりではなく、当選したデザインを見て、
「こういう見せ方が選ばれたんだ」
と勉強することができました。
一方で、「これは自分でもかなりうまくできたのにな!」と思うこともあります(笑)
そんなときは、
今回はクライアントさんと私のデザインの方向性が違ったんだな!
くらいに考えることもありました。
自分で納得できるものができた場合は、必要に応じて素材や文言を変更し、架空デザインとしてポートフォリオに使える形に整えることもありました。
選ばれなかった制作物も、作った経験そのものまでゼロになるわけではありません。
落選したコンペから、初めて仕事につながった
そして、思いがけないところから最初の大きな変化がありました。
応募していたコンペ。
結果としては、当選ではありませんでした。
ところが、応募していたコンペのクライアントさんから連絡をいただきました。
私が提案したデザインの方向性を気に入ってくださり、別のバナー制作をお願いしていただけることになったんです。
落選したものが、別の仕事につながりました。
さらに応募を続け、その後はページデザインのコンペでも初めて当選。
少しずつ「実際に仕事として作った経験」が増えていきました。
このあたりのクラウドソーシングやコンペについては、別の記事でも詳しく書こうと思っています。
過去の仕事の経験も、デザインの仕事につながった
Webデザインを学んだことがきっかけではありましたが、それまでの仕事も無駄ではありませんでした。
テレビ制作のADとして動画に触れた経験があったことから、Premiere Proを使った動画編集も改めて勉強しました。
その後、ご縁があってベンチャー企業の業務委託として仕事をすることになり、バナー、チラシ、Webページのデザイン、動画など、さまざまな制作を経験しました。
ひとつの仕事から、
「じゃあ、これもお願いできますか?」と別の制作を任せてもらえることも増えていきました。
現在も、クラウドソーシングでバナーやチラシ・パンフレットなどを制作したり、業務委託で動画を制作したりしています。
「全部できる」が、私の強みになった
Web、紙、動画。
ひとつの分野を極めているデザイナーさんから見れば、私は少し違うタイプだと思います。
でも、仕事を続けるうちに、
「Webもできます」 「紙もできます」 「動画もできます」
ということが、自分の強みのひとつになっていると気づきました。
ひとりに相談すれば、いろいろな制作物をまとめて相談できる。
そこを評価していただくことも増えました。
だから現在は、Web・動画・DTPなど媒体を横断して制作する自分の働き方を表すために、「トータルメディアデザイナー」と名乗っています。
もちろん、何でもできることだけが正解ではありません。
ひとつの分野を極める働き方もあれば、自分では担当しない部分をほかのクリエイターへお願いする働き方もあります。
実際、グラフィックデザインを得意とする友人から、コーディング部分だけを頼まれることもあります。
何を自分の強みにするかは、人それぞれ。
私の場合は、いろいろな制作に対応できることが、自分らしい強みになりました。
Webも紙も動画も、大切なのは「伝わるか」
制作する媒体は違っても、私が共通して大切にしていることがあります。
伝えたい相手に、ちゃんと伝わるか。
そして、ほかの情報と並んだときに、きちんと目に入るか。
バナーとチラシは、同じようなデザインに見えても役割が違います。
チラシに必要な情報をそのまま全部バナーへ入れてしまえば、情報量が多くなり、スルーされてしまうかもしれません。
Webページなら、縦に読み進めてもらうための流れを考える。
動画もストーリーを考えますが、時間軸があるため見せ方はまた変わります。
それぞれ構成方法は違っても、デザインの4原則や色のバランス、コピーの見せ方など、共通して使える考え方はたくさんあります。
作るものが違うだけで、「誰に、何を、どう伝えるか」を考えることは同じ。
私にとってIllustratorやPhotoshop、Premiere Pro、WordPressなどは、そのためのものを作るツールです。
デザインのセンスは、最初から完成していなくていい
「デザインにはセンスが必要なのでは?」
と思う人もいるかもしれません。
私は、多少の感覚は必要だと思っています。
でも、最初から全部を持っている必要はないとも思っています。
私自身も以前、「インプットとアウトプットを繰り返せば、少しずつ身についていく」と言われたことがあり、それを実践してきました。
街中の広告を見る。
スマホで流れてきたデザインを見る。
「これいいな」と思ったものは写真を撮ったり、スクリーンショットを保存したりする。
実際に依頼をいただいたときには、いきなり作り始めるのではなく、まず同じジャンルのデザインを調べます。
どんな見せ方が目に留まりやすいのか。
何を一番伝えるべきなのか。
どのコピーを目立たせるのか。
見る・考える・作る。それを繰り返すことも、デザインを学ぶ方法のひとつです。
未経験でも、今日始めれば今日から経験になる
未経験から仕事を探していると、「実務経験○年以上」と書かれた案件や求人を目にすることがあります。
私自身、未経験から始めたからこそ思うことがあります。
今日始めれば、1年後には1年分。2年後には2年分の経験が積み重なっています。
もちろん、ただ時間が経てば経験になるという意味ではありません。
作る。調べる。応募する。
選ばれなかったら、また考える。
実案件をひとつ経験したら、そこからまた学ぶ。
私自身は、未経験から始めるなら、最初の2年くらいは「これから仕事を続けていくための下地をつくる期間」と考えてもいいと思っています。
これは決まりでも、全員に当てはまる正解でもなく、実際に未経験から仕事を始めた私自身が感じていることです。
始めようか迷っている間も、始めてしまえば経験を積む時間に変えられる。
振り返ってみれば、仕事が取れずに悩んでいた時期も、コンペに落ち続けた時期も、今の私につながる経験を積んでいた時間でした。
この話は、それだけでひとつの記事になりそうなので、また改めて書こうと思います。
デザインの仕事は、決して楽な仕事ではない
在宅でできる。
好きなものを作れる。
デザインの仕事には、そんなイメージもあるかもしれません。
でも実際には、作るだけではありません。
仕事を取るために動くこともある。
修正が続くこともある。
自分では良いと思ったデザインが選ばれないこともある。
新しいツールや表現を勉強し続ける必要もあります。
好きなものを自由に作っているだけではないのです(笑)
だから私は、「つくることが好き」という気持ちも、仕事を続けるための力のひとつだと思っています。
簡単だから続けているわけではありません。
うまくいかないことがあっても、結局また作ってしまう。
それくらい、私はものをつくることが好きなんだと思います。
できることから、コツコツと
振り返ってみても、ある日突然デザイナーになったわけではありません。
育休中に「在宅でできる仕事があったらいいな」と思ったことから始まり、スクールで学び、コードを書き、営業して、コンペに応募して、落ちて、また作って。
そうやって少しずつ今につながりました。
大きな目標があるなら、そこまでの道を小さく分けて、ひとつずつクリアしていく。
その方が続けやすいし、「ここまではできるようになった」と自分でも確認できます。
未経験だった時間も、仕事が取れなかった時間も、無駄ではありませんでした。
スクールを卒業したことではなく、そのあとも作り続けた時間が、今の仕事につながっています。
もし今、「デザインをやってみたいけれど、未経験だから……」と迷っているなら、まずはひとつ作ってみるところからでもいいと思います。
今日作ったひとつが、いつか振り返ったとき、自分の経験の始まりになっているかもしれません。

